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水銀燈と契約したい その1
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水銀燈と契約したい その1

ここでは、「水銀燈と契約したい その1」 に関する記事を紹介しています。
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1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 01:04:53.15 ID:DckY/wAO0
はいもしもし、え?はあ、そうですね、じゃあ巻きます。はい、ぐるっと
いやいやそんな事ないですよ、オーイエーロッケンロー
受話器越しに盛り上がる。
さっきから思ってたんですけど、あなた「くんくん探偵」に声が似てるって言われません?
電話が切られた。嫌な過去でも掘り当ててしまったのか。
しかし何だったのだろう、セールスの電話にしちゃ変だし
アンケート調査と言った具合でもない。
運勢占いまでしてくれたし、悪い人じゃないと思うんだけど。今日のラッキーカラーは赤色らしい
そんな事を考え受話器を下ろし、後ろを振り返ると一つの鞄が置いてあった。

何だ、これ



3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 01:18:50.09 ID:DckY/wAO0
私はとりあえず、鞄に耳を当て中の音を聞いてみる事にした
時計の音は、していない。
鞄だって安物とは思えないし。だいたい、何で私の部屋にこんな物が?
心当たりがない事もない、さっきの電話だ
長電話で私の注意を引き、その間に鞄を部屋のど真ん中に置く・・・・・・。
分ったぜおっちゃん、後はこの時計形麻酔銃で!
常識的に考えて無理だろ。スネークが本当に居るんなら話は別ですが
まあ、爆弾でもなさそうですし
私は鞄を開く事にした。カチャリと軽い音がし鞄が口を開く
中には人形が一体、入っていた。

謎が謎を呼ぶ、CMの後解決したらいいよね




4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 01:23:52.27 ID:oO65TV/e0
wktk



5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 01:29:39.13 ID:DckY/wAO0
鞄の中には銀色の長い髪が特徴的な黒いドレスを着た人形と、蝶の様な螺子巻きが入っていた。
観賞用の人形っぽいですけど、カラクリ人形なんですかね?
私は人形の螺子穴を探す事にした。人形を鞄から抱えだす
ええ、スカートの中は理性が押し止めましたよ、ちょびっツを見てたら危なかったですけどね。
それにしても、柔らかいですね。肌が私の指を押し返す、シリコンでもこれは無理だろう
件の螺子穴は呆気なく見つかった、尾?骨辺りだ。
私は螺子巻きを挿しこみ、キリキリと螺子を巻く
キリキリキリキリキリギリ、ギリ、ギギ
ゼンマイは限界まで巻かないと気がすまない、チョロQでもそうだった。
ギ、ギッ、ガジとそろそろゼンマイのタップ音が聞こえてくる
その時、人形がふいにこちらを向き、私の頬を平手で叩き
「巻きすぎで痛いのよ、ばかっ!」
人形が喋ったのだ。

ソッチ系の人御用達のカラクリ人形なんですかね




6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 01:34:04.90 ID:Yu/xKqw60
支援



7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 01:45:58.59 ID:DckY/wAO0
ところで、家に何の用ですか?
こっちが聞きたいわよぉ。そうですか
この人形は私が進めた座布団には座らず、鞄の上に腰掛けていた。
確かに部屋は汚いけどさ、なんつーのかな。なあ?
「変な電話か手紙が、こなかったぁ?」
電話が来ましたよ。あなたが来るちょと前に
それだわぁと眉間を人差し指でグリグリとする。疲れが溜まっているんですかね
「まだ、契約はしてないようねぇ」か、下半身の!?
私の左薬指を見、少し安心したように呟く。
「じゃあ、いつまでもここに居る理由はないわぁ、それじゃあねぇ、おばかさぁん」
彼女の羽が広がり、黒い粒子が舞い落ち、窓から夜の闇へと飛び出した
飾りじゃ、なかったのか。私はしばらく夜空を見上げていた。曇りだったが。

鞄、忘れてますね




8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 01:59:32.81 ID:oO65TV/e0
支援



9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:00:52.55 ID:DckY/wAO0
ああ、体が痛い。私は椅子で目を覚ました。
何故椅子で寝る事になったのか気になるだろ?話はこうだ
あの日、人形が9時ごろ帰ってきた。鞄を忘れた事に気づいたらしい。
その鞄で寝ないと駄目なんですか、大変ですね
人形は私に「おじゃまします」の一言も掛けずに鞄に入る、親の顔が見てみたい
暫くそんな事を考えていたら急に鞄の口が開いた、何でも
「私が人間より下で眠るのは変だわぁ、だから鞄をベットの上に移動させなさぁい」
「ほうほう、つまり同衾と申すか」
「おばかさぁん、あなたには鏡を見る事をお勧めするわぁ」
負けたね、完全に私の負けだった。
人形はベットの上に置かれた鞄を満足気に眺め、鞄に入った
その状態でスプリングが安物だとか、どんだけですか、ほんと。
「名前、何ですか?」
「はぁ?」鞄を閉じかけていた人形に尋ねる、いつまでも人形じゃ呼びにくい。
「名前ですよ名前、あるんでしょう?」
「水銀燈よぉ、ローゼンメイデン第一ドール水銀燈、覚えときなさぁい」
そう言うと彼女は彼女は鞄を閉じた。
とまあ、そんな感じで私はベットを追い出され、椅子難民となったのだ。

人形より下の人間って新ジャンルにならないかな、玄人マゾ御用達になるよ!




10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:02:10.23 ID:Yu/xKqw60
そんな新ジャンル開拓すなwwwwww


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:05:36.72 ID:SPERyhEnO
なんか久々に見かけた
嬉しいぜ


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:12:11.20 ID:oLHFX1Kf0
wktk


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:13:33.87 ID:MEe36WRR0
期待



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:15:57.40 ID:DckY/wAO0
彼女、水銀燈との生活で分った事がいくつかある。
乳酸菌飲料、特にヤクルとを好んで飲む。しかも400をだ。
朝は鳥が囀り始めたら起き、夜は9時ごろ鞄に入る
彼女と私が日中何をしているのかと言うと、ほとんど何もしていない、
ふらりと空に出て行く事もあれば、家で一日中本を読んでる事もある。
一度外に何をしに行くのか聞いてみた事があったが
「いつも何処に行くんですか?」
「あらぁ気になるぅ?」そりゃ、気になりますよ
「童貞ボクちゃんも、女の子に興味が出てくる年頃なのねぇ」
口元に歪んだ笑みを浮かべてそう返された。
つまり、完全に馬鹿にされ、煙に巻かれてしまうのだ。

罵倒されても苦痛にならない。これも彼女との生活で分った事です。




15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:20:06.68 ID:MEe36WRR0
Mじゃなきゃ水銀燈のマスターは務まらない


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:27:37.42 ID:f5NPIvQI0
俺Mすぎて水銀燈に無視されたいって思ってたら叶った!




17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:32:21.40 ID:DckY/wAO0
気になりますか?私は家庭用ゲーム機で遊んでいた。
彼女は別にぃと言いながらも、私の背中越しにテレビ画面から目が離せないようだ。
ゲームのキャラクターが喋る。ミッションの内容がどうだとか、そな事なのだが
「えっ、箱が喋ったわぁ!?」いいよ、いいよそのリアクション100点満点だ、ズドーン!
ゲーム画面に入り、コントローラーでロボットを動かす
「中にロボットが・・?」やべ、大好きだわこの子。
無事にゲームが終わり、私は水銀燈にテレビの説明をする事にした
「これはテレビと言いまして、中に人は居ません」
「そのぐらい知ってるわよぉ」
「え?」
「おばかさぁん」口元がプルプルと震えている、笑ってるのか
そうでうよね、流石にテレビ知らないとかないですよね。
水銀燈は私をニヤニヤしながら見続けていた、口元が可愛いからいいけどさ。

その日から水銀燈の趣味にテレビゲームが加わった





20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:44:41.30 ID:DckY/wAO0
私は髪を拭いながら、脱衣所から出た。
ふう。風呂上りの脱力感には頭が上がらない、むしろ脱力感に飲まれるのがプロなのだ。
私は冷蔵庫から水を取り出した、氷も忘れない
あれ、どうしましたか?
「なっ、ば、お、乙女の前なのよぉ、慎みなさいよぉばかぁ」
真っ赤にした顔を両手で顔を覆い、両手を太ももに挟み、シュンとうな垂れる。
パンツ一枚で出歩くのはよくないらしい。これは気づきませんでした、すみません
私はシャツを着た、流石に童貞乳首を晒すのはよくなかったようだ。
「これでいいですか?」やれやれと、肩をすくめポーズを決めた。
「ばかぁあ!パンツま、丸出しじゃなぁい!」
物を投げるのは、痛 やめてください。その時、私の頭にルービックキューブの角が当った。
あまりの痛さに思わずしゃがみ込む。こ、これはガチで痛い
小さな手が私のタンコブを撫でた
だいじょうぶぅ?と水銀燈が撫でてくれていたのだ、顔から恥じらいの色は消え
真剣に私を心配してくれてるようだ。可愛いじゃないか
大丈夫ですよと返す、水銀燈の顔が優しく緩んだ。
でも、パンツ一枚はやめてねぇ。ですよね、善処します

私がパンツ一枚で生活する事はなくなった





23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:47:33.06 ID:cc2NvdAT0
もしかして、「水銀燈をぎゅっと抱きしめたい」の人ですか?



25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:51:16.17 ID:DckY/wAO0
>>23
よくわかったね、正解だ



28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 02:55:44.41 ID:cc2NvdAT0
>>25
>>1の1行目でわかったw



32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 03:03:37.75 ID:9AgCD/jnO
wktk



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 03:03:46.05 ID:DckY/wAO0
冷蔵庫のオレンジ色の光りが私を照らした。
そのまま水を取り出し、コップで2杯飲んだ。俺の眠気はクライマックスだぜ
私は流しにコップを置き、ふらふらと自分のベットたどり着き、潜り込んだ。
何て言うのかな、凄い爽やかな気分だったね
久しぶりにベットで寝たら、こんな気持ちなんじゃないのかな。窓の外ではペーチュンチュン
お、おっ、おっと背伸びをし、水銀燈と目が合った。
水銀燈が鞄の横に座って私を見つめている。照れるじゃないか
「マセガキ」
一言、こう呟いた。
いやその、寝ぼけて、清々しい気持ちで、鳥がとゅとゅとゅでして、その
「別にぃ、私はお姉さんだから気にしないわぁ」
お姉の所に変にアクセントをつけますね
「まぁ眠いなら、もっと寝てていいのよぉ?甘えん坊さぁん」
頭をさわさわと撫でられた。あーうん、こういうのもいいわ
私は再び眠りについた、水銀燈は横に座ったままだった。
「ふふ、おやすみなさぁい」

私が次に起きた時、冷蔵庫のヤクルトは全滅していた。





35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 03:19:02.92 ID:DckY/wAO0
ヤクルトぉ。はいただいま
私が言ったのは400よぉ?取り替えて。申し訳ございません、お取替えします
肩ぁ。へい、お客さんこってますね
いったぁあぃ!馬鹿!もういいからベットまで運びなさぁい。OKマドモアゼェール
私は少し悩んだ、水銀燈をどうやってベットまで運ぶかでだ。
籠、却下だな二人居ないと出来ない、タクシーも駄目か、これは俺でも分かる
「なにしてるのよぉノロマは嫌いよぉ?」
「どうやってお嬢さんをベットにエスコートしようか、悩んでたんですよ」
「はぁ?抱っこもできないのぉ?本当におばかさんなのねぇ」
考えはしたんですが、怒られそうだったんですよね
私は水銀燈を抱かかえた。
「あら、初めてのくせに上手じゃなぁい」センキュウボス
ベットまで運び、おやすみと言う。私は椅子に寝転び目を瞑り考える。
軽かった、彼女の体はとても、軽かった。
本当に、人形なんだな、と。

何故不機嫌だったかまでは分らなかった





38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 03:34:00.63 ID:DckY/wAO0
最近疲れてますね、どうしたんですか?
別にぃあなたには関係のない事だわぁ。気になりますよ
だって、ボクの大切なお姉ちゃんなんだもん。完璧だ、目に獅子座流星群が走ってたよ。
うわ、きもっ。分ってたけどさ、オブラートに包もうぜ。
はぁ馬鹿らし、いいわぁ教えたげる。それは助かります
私、つまり人形が動く事に疑問を感じた事があるでしょぉ?
私以外にも同じような人形が居るのよぉ6対も。はあはあ、ローゼンシリーズって奴ですか
そう、飲み込みが早い子は好きよぉ? 来たな、俺の時代が
まあそれでねぇ、私達の命の源をね、取り合ってるの。
「は?」
「だからぁ動く為に必要なローザミスティカを取り合ってるの、聞いてなかったのぉ?」
「でも、それって、それを取られたら、死んじゃうんじゃ、ないですか?」
「人形だから死にはしないわぁ、でも人間で言うと、そうなるわねぇ」
「その、姉妹?でそういう事をするのは、よくないんじゃないですか?戦いは不毛ですし」
「・・・・・・あなたに、何が分るって言うの」
見て分るほどに不機嫌になった。しまった、これには口に出すべきじゃなかった。
「いえ、すみません。忘れてください」
「そうするわぁ」
私達の会話はこれで終わった。水銀燈は寝るまでコントローラーを放さなかった。





45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 03:46:58.98 ID:DckY/wAO0
その日私は食卓に豚肉やニガ瓜を使った料理を出した。
あら、今日はいつもと違うのねぇ。頑張りました
どうやらニガ瓜を気に入ったようですね、また買っときます
「でも、今日はどうしてこんなに豪華なのぉ?」
ニガ瓜をポリポリ噛みながら聞いてきた、ごっくんしてから喋ってください
「いや、最近疲れてたみたいなんで精が付く物をと」
「あら、嬉しいわぁ」
ふふっと彼女が目を細めて笑った。
釣られて私も微笑む。こんな時間がいつまでも続けばいいのに。

あ、こらニンジンも食べてください






51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 03:57:58.69 ID:DckY/wAO0
鏡が急に光り、水銀燈が鏡から飛び出してきた。
か、仮面ライダー?ファイナルベントしちゃう?
おばかさぁん、私達専用の通路よ。って、大丈夫ですか?
水銀燈の右羽が半分になっていた、顔からも脂汗を流し辛そうにしている。
メイメイ、と彼女が呟くと何処からともなく、赤い人魂の様な物が現れた、
ケセランパセランかもしれない。
メイメイは水銀燈の胸の前でチカチカと目まぐるしく点滅し出した。
そして、だんだんと光りの間隔が弱く、優しくなる。まるで、バイタルサインだ
その頃には水銀燈の羽は修復され、いつもの顔に戻っていた。
「だ、大丈夫なんですか?」
「大丈夫よぉ、ちょとヘマしただけ、心配しないでぇ?」
「ですが、その」このままじゃ、命が
「約束、したわよねぇ」
水銀燈が夕暮れの空を見ながら呟いた。
「ええ、もちろん。いや、カルピスソーダのグレープフルーツ味を買いまして」
「あらそれは楽しみだわぁ」
私は急いで台所に向かった。何て言えばいいんだよ、くそ

水銀燈は炭酸を飲むたびに羽が震える





52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 03:58:09.53 ID:Cbfa4A6B0
久々に見た



56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:07:22.62 ID:QaNId08a0
僕も銀様と契約して生気を吸い取られたいです('A`)


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:11:36.54 ID:V8c77c0oO
>>56
じゃあ俺は精液を!


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:12:27.47 ID:MEe36WRR0
>>56 落ち着け                                     唾液で!


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:13:13.46 ID:MEe36WRR0
>>56→>>59



63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:17:11.20 ID:DckY/wAO0
夜。草木も寝静まった頃、鏡が光っていた。所々で波紋が広がる。
水銀燈は鏡の前に立っていた。
「いくんですか」私はベットから身を起し言った。
「ええ」
「また、明日の朝会えますか?」
水銀燈は私の方を見て、笑っているような、寂しいような、悲しいような
なんとも形容しがたい微笑みを浮かべてくれた。
だけど、それはとても魅力的だった、形容できない魅力だ。
「あの、水銀燈さん」
何となく、頭の中で纏まり出した言葉を吐き出そうとする。
「ねぇ」
水銀燈が私の方に歩いてきた。彼女はベットに立ち私の顔に小さな手を添えた。
「明日もカルピスソーダグレープフルーツでお願いねぇ?」
そして、私の頬に小さな唇が触れ、蜜のような眠りに捕われる。
「おやすみなぁい」
私は言葉を伝える事が出来なかった。





64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:18:28.78 ID:MEe36WRR0
ちょ、脂肪フラグ?


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:20:52.17 ID:QaNId08a0
うわあああん('A`)




69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:32:41.21 ID:DckY/wAO0
私は、漂っていた、どこまでも広がる緑色の海だ。
何で、ここに居るんだっけ。まあいいか、気持ちがいい
「こんばんは、ただ螺子を巻いただけの少年」
どこからか、声が聞こえた来た。
少年?ボクのチンコはズルムケだぜ
「それは勇ましい。ですが、このままで良いのですか?」
パチリ、パチリと申し訳程度に拍手が聞こえた。
「このままだと、失ってしまいますよ?」
失う?HDDのエロデータ、いや、違う。水銀燈の事だ。
そうだ、俺は水銀燈に伝えたい事があったんだ!
「会って話す、何を?」ばっか、男には言えないよ
「契約の指輪も持たないあなたが、何を伝えるのです?」
気になるだろ?俺をそこに案内してくれたら、通行客として、聞けるんだぜ?
「それは魅力的な提案。お受けしましょう」
私はいつのまにか、廃墟に立っていた。
「あとは、貴方しだい。本当に伝えたい事があるのなら、辿り着くでしょう」
私は体を伸ばし、ストレッチをする。
「ありがとう、くんくん探偵の声の人」おや、と少し関心する声がした。
私は走り出した。





70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:35:12.84 ID:MEe36WRR0
いよいよクライマックスか・・・wktk


71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:35:21.92 ID:ObBHqoJzO
wktk




74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:44:24.30 ID:DckY/wAO0
私は廃墟を抜け、森を走り、泉の前に出た。
空では水銀燈が翼を広げ、羽を飛ばしていた。敵は、あいつか?
息を整えながら、戦いの状況を見る。
水銀燈の羽は矢になり、そして龍となり赤い人形を捕らえるが、青い人形が剣で龍の首を落とす。
蔦が体を捕らえ、巨大な樹木が襲う、すでに彼女の左翼はなくなっていた。
4対1、これは戦いじゃない、ただのリンチだ。
「水銀燈!」
私は叫んだ。走って喉が枯れていたから、裏返っていたかもしれない。
場の視線が私に集まる。眼鏡は眼鏡がずり落ちるぐらい驚いてくれた。えーと、君は人間だよな?
水銀燈は直ぐ私から視線をそらし、赤い人形に羽を掃射する。
「水銀燈!俺は、言いたい事があって来た!」
赤い人形は羽をジグザグ運動で回避しながら、水銀燈との間合いを詰めていた。
「前に言ったよな、命が大切だって、ありゃ嘘だ、忘れてくれ」
息を大きく吸う
「俺は命が大切なんじゃない、お前が大切なんだ!」
水銀燈の羽の掃射が一瞬止まる、その隙を付き、赤い人形が水銀燈を殴り飛ばし、私のすぐ近くに墜落した。
「だ、大丈夫ですか!?」
地面から体を抱き起こす
「何で、あなたがここに?」
「今は逃げましょう、スタコラさっさです」
「だめよぉ」
「何故?」
「これは、私の誇りの戦いだから」
赤い人形がフワリと目の前に降りて来た。





78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:52:11.17 ID:DckY/wAO0
「人間、貴方は水銀燈のミーディアムかしら?」
否定をする。
「なら何故ミーディアムでもない貴方はここに?」
伝えたい事があったからだ。
「先ほどのアレね」ああ、そうだ
「私はあなたの後ろの人形、水銀燈に用があるの。用が済んだならそこを退きなさい」
私は水銀燈をチラリと見た、これじゃあ戦いって呼ぶ物すら起きないだろう。
「だめだ」
「だ、そうよ水銀燈。あなたはその、ただの人間の背にいつまで隠れ続けるつもり?」
少し違うな、俺が背中から出ないようブロックしてるんだ。
「それとも、薔薇乙女としての誇りも失って、ただのお人形さんになったのかしら?」
水銀燈が呻く、ノーノー!医師団はこれ以上の試合は危険と言ってマース!
「・・・・それなら、仕方がないわ。人間、今すぐその人形を連れ帰りなさい」
ああ、そうさせても「ふざけないでっ!!」水銀燈が背中から飛び出した。
「私は、ローゼンメイデン」
右翼が青い炎に変わる。
「私は、誇り高きローゼンメイデン第一ドール水銀燈!アリスになるのは、この私ッ!」
青い炎が赤い人形に襲い掛かる。
眼鏡が赤い人形を抱きしめ、指が光り、赤い障壁が現れ、炎を弾く。
そして、その炎と言う呪いは、水銀燈に返された。





79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:57:48.32 ID:DckY/wAO0
炎に包まれる。私は必死に火を消そうと服を脱ぎ、火を叩く。
何故だ、何故消えない?それどころか、服に火が燃え移る事さえなかった。
「無駄よ、人間」
赤い人形が眼鏡の腕の中から言う。
「それは、ただの炎ではない。水銀燈の呪い。ただの人間には消す事はできないのだわ」
契約か!私は水銀燈の腕を取り、指輪に口付けをした。
何故そうしようと思ったのかは分らない。今まで、何度も、何度も繰り返してきたような動作、そんな気がしたのだ。
これで。私の薬指が熱くなり、それで終わった。
「もう、無駄なのだわ」
私は、水銀燈を抱きしめた。もうそれしか出来る事がなかった。
冷たい炎が身を焼く。いや凍傷のように皮膚が壊死しているのかもしれない。
じわじわとその傷痕が幅を広げていく。
水銀燈の服が燃え落ち、白い皮膚が露になった
彼女は自分の腹部を、隠そうとする。腹が、ないのだ。
下半身が地面に倒れ落ち、私は彼女の上半身のみを抱かかえていた。
水銀燈が、口をパクパクとさせ、呟く。
「人間が、こんな事してて、いいのぉ?」
「人間だからやれるのさ」
私はニヒルに笑って返してやったが、水銀燈にはすでに見えてはいなかった。
それに、彼女の顔は私の顔のすぐ横にあったしね
チュッと涙が焼ける音がした。
「おばかさぁん」
私と水銀燈を青い炎が静に妬いていた。





80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:58:07.05 ID:DckY/wAO0
気づいたらベットの上に寝ていた。
水銀燈と、水銀燈の鞄がないだけの、いつもと変わらない部屋。
あれは、夢だったのか?
私はシャツの首を伸ばし、胸元を見た。火傷のような、凍傷のような、そんな傷痕が見えた。
「夢じゃ、ない」
私は小さく口に出して呟いた。
目を閉じ、水銀燈を思い浮かべる、彼女は笑ったり、時には怒ったりした。
写真を撮っていなかったのは失敗だったな
このままだと、いつか忘れてしまうだろう。
完全には忘れない、ジワジワとぼやけて行くのだ。記憶のインキが情報という水に滲み出してしまう。
私は押入れの奥に突っ込んだ絵画の道具を引っ張り出した。昔少し齧っていたのだ
「うまく出来るか、わかりませんが」
時間はいくらでもある、あのお嬢さんに構っていた時間を、そのまま使えばいい。
これは逃避活動だろう。でも、それでいい、逃げ切れる所まで逃げ切ればいいのだ。
「それに、上手に描かなきゃ怒られてしまう」
一人でクスクスと笑う。

その日以来、私の冷蔵庫には常にヤクルトがパックで冷やされている。
いつ、彼女が帰ってきてもいいように。




82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 04:58:38.02 ID:DckY/wAO0
終わりです、お疲れさまでした



83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 05:00:33.94 ID:MEe36WRR0
・・・お疲れした。ちょっとヤクルト買ってくる。勿論400



84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 05:01:10.01 ID:oO65TV/e0
乙!


85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 05:01:16.16 ID:9AgCD/jnO
うぁぁ
乙かれ


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 05:01:26.11 ID:G5lYWxlk0
乙でした~
( ;∀;)イイハナシダナー


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 05:01:54.51 ID:aDEMLOUKO
乙。


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 05:02:03.66 ID:+GXO4MuOO



89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/08/06(月) 05:02:21.57 ID:d3hgWZwu0





水銀燈と契約したい その2

水銀燈をぎゅっと抱きしめたい―まとめサイト―
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